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2005年02月10日

ATOK2005 発売当日レビュー

もともとATOKのようなプログラムというものは、通常のアプリケーションソフトと違ってふだんはあまり表にしゃしゃり出ずに目的の処理をきっちりとこなしてくれればよいわけです。理想的なあり方としては、インストール時におおかたの設定を済ませれば、あとは空気のような存在になる。プログラムとしての存在をふだんは意識しないけれど、無くなってしまったら非常に困る。そんな存在ですね。

pallet.gif


◆まずは準備

まず私の使い方ではパレットが不要なので、こいつが表示されていると邪魔でしょうがない。パレット上の「-」ボタンを押して、タスクトレイに収まってもらいました。

次にパワーアップツールをインストールします。特に重要なのが、ATOK Syncツール。これで会社と自宅のATOK辞書がシンクロします。私の記憶では、ATOK16からこのパワーアップツールが使えるようになったと思います。ジャストシステムのインターネットディスクサービスに申し込んでいないと利用することが出来ないのですが、一度使ったら手放せないツールです。

従来だと辞書ユーティリティを起動して、辞書ファイルを読み込んだり書き出したりと、結構な手間でした。わずらわしいのでユーザー辞書のバックアップもかねて、年に数回書き出しをしている程度だったのですが、ATOK Syncを利用するようになってからは、辞書のメンテをほとんどしなくなりました。ユーザー辞書は自動(設定が必要)でインターネットディスクにバックアップされるし、その時に辞書のシンクロも行われます。インターネットディスクを利用しているなら、使ってみて損はない機能だと思います。

ちなみに現在の私のユーザー辞書登録単語数は6500以上。恥ずかしくて他人には見せられない単語なんかも登録されていて、見ていると自己嫌悪に陥ります。


◆ATOK2005の新機能

さて、準備が終わり、いよいよ新機能の確認です。今回のバージョンアップで実装された機能をATOK.comで確認・・・。

ふむふむ・・・、ふむふむ・・・。

うーむ、なんだか私にとってはどうでもいい機能ばっかりですね。
強いて上げれば、「入力作業の達人」でしょうか。その中でも、住所入力補助。これは便利かも。
今までのATOKには、郵便番号を入力して住所に変換するという機能はあったのですが、今度は逆の機能。従来の機能はどちらかというと、タイプの苦手な人のための機能といった感じでした。PCの文字入力に慣れている人にとっては、郵便番号を調べることが面倒であって、むしろ知りたいのは郵便番号そのものということが少なくなかったと思います。今回はおおまかな住所を入力するだけで、該当する正確な住所と郵便番号が候補ウィンドウに表示されます。

roppongi.gifたとえば私は実家の郵便番号を覚えていません。実家に住んでいた頃は5桁の郵便番号だったので、7桁の下2桁が頭に入っていないのです。そんなときに町名以下を入力し、F3キー(デフォルトの設定)を押すと、郵便番号を調べることが出来るのです。もちろんShift+Enterキーで確定することも可能。これで郵便番号を調べるためだけに、いちいち日本郵政公社のWebに行かなくていいかと思うと、ちょっとうれしい(無理に喜んでる?)。

そのほかの機能に関しては、便利なのかどうなのか不明です。推測変換の和文対応は以前からあったけど使っていません。以前会社でPCを使って後輩に仕事を教えていたときのこと。文字を入力するたびにドンドン先読みをして、勝手に単語を表示してくれるのです。ATOKの推測が当たっているときはいいのですが、仕事中だってのに2, 3文字入力しただけで、全然意図していない下ネタやエッチな単語を推測されるとなんだかとっても恥ずかしいのです。それ以来、「たいへん申し訳ないが君の行為は大きなお世話なんだよ・・・」と、ATOKくんに推測をやめるようお願いした次第です。

訂正学習機能も便利そうですが、試してみた結果、思うように動作してくれません。例の「尾根ギアします」はうまくいきましたが、その他の文章では私の操作方法が悪いのか、イマイチです。こういう機能は、意図して利用したのでは利便性の向上はありまえせん。こちらがうっかりミスをしたときに、どこまで気を利かせてくれるかが重要です。長く使ってみないことには、有用かどうかの判断は難しいでしょうね。


◆バージョンアップは必要なのか

とりとめもないことを長々書きましたが、価格を考えるとバージョンアップをする意味があるかどうかは、ちょっと疑問が多いです。てこ入れするはずの記事だったのですが、あにはからんや悲観的な記事になってしまいました。逆に言えば、ATOKはとっくの昔に完成されちゃっていることの証明なのかもしれません。個人的な意見ですが、ATOK12くらいからは目立った機能の追加や改善を感じません。

私にとって一番印象的だったバージョンアップは、ATOK8でした。辞書ファイルが2MBになり、これを機会にハードディスクの無いPCでは利用できなくなりました。かわりに飛躍的に変換効率が向上し、日本語入力のストレスが一気に軽減されました。変換効率の向上をバージョンアップで体感できた良い時代だったわけです。それまでは松茸を使おうがATOKを使おうが、それほどの違いは感じられなかったように記憶しています。むしろユーザーにとって大事だったのは、コンベンショナルメモリの空き容量だった気がします。

今後AIのテクノロジーが飛躍的に進歩することで、笑っちゃうくらい完璧なIMEが出来るのかもしれません。現時点のPCにそこまでのスペックは無理でしょうから、この辺が落としどころということなのでしょう。
ジャストシステムには申し訳ない記事になっちゃったけど、せっかくこんなに長い文章を書いたからボツにするのも切なくてアップさせてもらいます。「ほら、ATOKを使えばこんな長文も思いのままだよ」って感じでいかがでしょう。

ソフトウェア企業にとって厳しい時代なのかもしれませんが、今後もバージョンアップのたびに微力ながら売り上げに貢献させていただきます。そして最後に・・・、

頑張れATOK!頑張れジャストシステム!


: えだまめ : 2005年02月10日 22:20

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コメント

ありがとうございます!
マニュアル読まないで、良いようです..
確かに、購入する意味があったのかどうか疑問ですが
当方も応援!って事で..

簡単じゃない..ヘルプ機能は要らないから
外して売ろうよ...
(って話ではないのでしょうね..)

: humsum : 2005年02月11日 07:10

よくよく考えてみるとこの文章もかなり長ったらしいので、マニュアル読んだほうが早かったかな?とも・・・。

ヘルプのヘルプが欲しい時ってありますよね(笑)
ヘルプに書いてある単語の意味がわからなかったりして。
ま、andanteのglossaryもまさにそれに陥ってますが(苦笑)

: えだまめ : 2005年02月11日 12:35

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