








2006年9月13日 急ぎ足
その当時ハマッていたプラモデル製作。仕事を切り上げひとり暮らしをしていたアパートに戻ると、食事もそこそこにシンナー臭い塗料や接着剤と戯れていた。いつものことだがなんとなく点けっぱなしにしてあったテレビ。2時間ドラマが始まり、風間杜夫のナレーションが流れてきた。普段はドラマなんて見ないので、チャンネルを変えてニュース番組を探すのだが、その日はプラモデル作りに没頭していたせいか、そのままになっていた。最初はBGM代わりというか、勝手にドラマが流れているといった状況だったが、次第にプラモデルを作る手は止まり、いつしか完全にドラマに集中していた。
今考えてみれば私の生まれた頃が時代背景になっているドラマなので、自分はその頃のことを実際に知っているわけではない。どうしてそこまで夢中になってしまったのか・・・。純粋に物語として楽しめたのはもちろんだが、かすかに記憶に残っていた幼い頃の日本を思い出し、ノスタルジックな気持ちになったんだと思う。
それから15年が経過した今、そのドラマのビデオを探すけれど、レンタルショップには在庫がない。Amazonで中古が1万円オーバーで売られているが、そんな金額を出すのもためらわれる。再販の予定などないだろうから、時が経てばどんどん入手は困難になっていくだろう。このまま自分の記憶にとどめるだけの結末に落ち着くのだろうか。
今ではそのドラマを見た頃の自分の環境にすら、なんとも言えない感慨深い想いがこみ上げる。今の自分もまた、10年以上先の自分にとってはそんな感慨を引き起こす対象になるのだろうか。過去をふり返ってそんなふうに思えると言うことは、少なからず幸せであった過去を持つ証拠なのかもしれない。