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 2005年11月29日 旗薄(はたすすき)


EOS 10D / RAW

吐き出す息が視覚でとらえられる季節になり、これから植物は乾枯の道を歩みます。痛々しさを感じさせる植物の姿を、これから春まで見続けることになるわけです。燃え尽きる直前の蝋燭の炎は、終末を迎える自らを鼓舞するかのように大きさを増していきます。植物たちもこの時期、自らの姿をひときわ華やかなに飾り立て、我々の耳目を集めた後に枯れ果て、大地に還ります。紅葉であり、このススキであり。

いにしえより日本人の情緒を刺激するススキ。昔の人々も晩秋を迎えるたびに、こんな風景をまぶたに焼き付けていたのでしょうね。

「み雪零る 阿騎の大野に 旗薄 小竹を押し靡べ 草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて」 (みゆきふる あきのおおのに はたすすき しのをおしなべ くさまくら たびやどりせす いにしへおもひて)

 


 

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