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2007年02月27日

気まぐれと不景気とあの時代と

気まぐれコンセプト クロニクル最近ほとんど更新をしていなかったので時機を逸してしまったが、小学館のビッグコミックスピリッツ誌上で連載されている「気まぐれコンセプト」が、1月に「気まぐれコンセプト クロニクル」として単行本化された。
高校時代から社会人4年生くらいまでスピリッツを購読していたが、正直なところこの作品のおもしろさが理解できず、たまにチラッと目を通すに過ぎなかった。なにしろ貧乏だったから、業界の価値観が理解できなかったのだろうと今にして思う。

今回の単行本化は映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」との連動企画らしいが、私がこのマンガを目にしていたのがバブルな時代であったし、私の勝手なイメージとして【ホイチョイ=バブル】の図式が成立しているため、書店に並んでいた単行本を目にしたときの感想は「懐かしい」だった。
もちろん作品自体は今もって連載中であり、読んでいる人たちにとっては現在進行形のマンガなのだろうが、私にとっては華やかりし頃に作られた過去の産物だと感じられた。

当時私は直接バブルの恩恵を受けなかった。むしろ社会人になって数年目に訪れたバブル崩壊により、社会の停滞ムードを長期にわたり味わうことになった。ただ崩壊に苦しめられた記憶は実質的に皆無と言っていいし、春闘・一時金要求などでは厳しさをかいま見る機会が無かったわけでもないが、自身の生活を足元から脅かされるような不安とも無縁だった。これは単に私が鈍感なだけかもしれない。
しかし過去に一億総中流と言われた多くの国民にとって、多少の局面の違いこそあれ、生活を営むこと自体はそれほど困難ではなかったんじゃないだろうか。

ただこの頃にたびたび感じたのは、様々な方面で「不景気だから」という免罪符を乱用している場面に出会うことだった。一方で私は崩壊直後から、これが普通の状態ではないのかという疑問を持っていた。たしかに相対的に見れば不景気であることに間違いない。なにしろ比較対象があのバブル景気である。だが生活水準や社会の利便性が向上し、モノで溢れかえる現代の生活を送ってなお不景気と嘆くのであれば、我々の祖先はそれを見て一体どう思うことだろう。
もちろんこれは、技術的な発展と資本主義経済を否定しようなんてことを言ってるんじゃない。デジタルデバイス好きで、無計画な浪費癖を持つ私は、この時代のこの国で生活が出来ることを幸せだと思っている。ただ、なんでもかんでも「不景気」を言い訳にするのは、いい大人がやることじゃなかったと思うだけだ。冷静に自分自身の生活を見つめてみれば、至るところに浪費は溢れている。中にはバブル時代の他人のツケを払わされている人もいるだろうが、それ以外の人は自分自身を見つめ直してみるべきだったんじゃないだろうか。

今、着実に景気は回復しているらしい。無論、鈍感な私はそれを実感などしていない。時間のあるときにでも、当時はまず読むことのなかったマンガと一緒に華やかだった時代を振り返ってみようと思うだけである。


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